今朝は大谷選手の会見を見て悲しい気持ちになった。
信頼していた水原通訳による窃盗事件を受けての会見だったわけだが、こんなにも悲しい気持ちになったのは大谷選手の夢が敗れた姿をはっきり目にしたからだと思う。
試練を乗り越えて優勝を目指してほしい、そんなコメントを見かけたけど、それは違うと思った。
人間関係で負った傷は、野球では癒すことができない。
大谷選手がなぜこんなにも皆から応援されるのかと言えば、圧倒的なパフォーマンスがあることは当然だけど、野球少年がそのまま大人になったようなピュアな部分があるからだと思う。
そして僕のような人間が野球を見て感動するのは、一つの目標に向かってチームが一丸となって戦う姿を見せてくれるからであり、おそらく大谷選手自身も、野球のそういう部分が好きであるに違いない。
知らない国に乗り込んで行って夢を叶える、その同士として水原通訳がいたはずで、大谷選手も僕たちも、その夢を楽しんでいたはずだったのに、その夢がはっきりと壊れてしまったのが分かったのが今朝の会見だったのだ。
大谷選手にとって優勝することは大切かもしれないけど、おそらくそれ以上に大切なのは仲間と一緒に優勝することなのだと思う。
今までの大谷選手にとって、野球とはまさに人生そのものだったはずだ。
だけど、今回の事件により、野球と人生が別物になってしまったのではないか。
プロである以上、自分の人生がどうであれ、結果を出さなければいけない。
大谷選手にとって、野球は人生でなく仕事なのだ、と初めて感じる体験になるかもしれない。
野球少年がそのまま大人になったような大谷選手に向かって、それが大人になるっていうことだよと言うこともできるかもしれない。
だが、そんな大人になる姿を僕たちは果たして見たいのだろうか?