東京からでも富士山が見えるけど、富士山が見えるとなんかトクした気分になります。
そんな富士山をもっと間近に、雪が積もった姿を見てみたい。
そう思って、お正月が過ぎて1週間くらい経った頃、河口湖までドライブをしてきました。
東京から眺める姿も素晴らしいですが、やっぱり間近に見る姿は圧倒的ですね。
姿が美しいのはもちろんですが、これだけの山が周囲から独立してそびえていることが、他には類を見ないような気がします。
山の裾野なんて、どれだけなだらかに広がっていることか。
ほうとうを食べて、河口湖周辺を少しドライブしたら、冬の1日は短く、すぐに夕暮れとなりました。
夕暮れの富士山は、日中の穏やかな日差しの中で見る姿とはまったく違います。
その姿は、まさに霊峰。
まるで黄泉の国に通じているような、ひんやりと冷たく研ぎ澄まされた富士です。
こわい、、、
あんなに美しいと思っていた富士山が急に怖くなりました。
大きく裾を広げるその姿は両手を広げて通せんぼをしているように見えます。
この先はもうない。行き止まりのような圧迫感を感じます。富士山が上から覆いかぶさってくるような圧迫感です。
急に早く東京に帰りたくなりました。
逃げよう、そんな気分になって急いで高速道路に乗りました。
八王子インターを過ぎた時は、ほっとしました。
高貴な雰囲気とは全くかけ離れた、雑多な空気の中に戻ってきて、何だか心からほっとしたのです。
僕にはこの汚れた世界の方が似合っている、そんな気分になりました。
冬の夕暮れの富士山は怖い。
マンションの向こうに見える富士山を遠くから見るぐらいでちょうどいいのかもしれません。