今日はアタマが痛いです。
オミクロンではありません。オリンピックです。
スノーボードの平野歩夢選手の滑りに血圧が上がりました…
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テレビ観戦しているこちらの興奮とは反対に、96点というスコアが出て金メダルが確定した瞬間、平野選手に大きな笑顔はありませんでした。
それは試合後に行われたセレモニーでも同様で、表彰台の平野選手はいたってクールで、金メダルを喜んでいるのか分からないようにも見えました。
ですが、その落ち着きぶりこそが平野選手に金メダルをもたらしたのだと感じました。
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スノーボードのハーフパイプは3回滑ることができ、そのうちの一番高い得点で順位を競います。
平野選手は1回目は転倒、2回目は見事な滑りを見せました。
テレビの実況中継のアナウンサーは最高難度の技を完璧に滑りきりました!と絶叫していましたし、素人ながら自分の目にもその滑りは完璧に見えました。
ですがジャッジが厳しく、当然トップだろうと思われたのにも関わらず、その時点のトップを奪うことができませんでした。
試合後のインタビューで平野選手は、この採点には腹がたったと答えています。
そして迎えたラスト、3回目の滑りです。
オリンピックのような大きな大会で結果を残すためには、技術と同じか、それ以上に「心」の部分が大切なんだと思わされました。
会心の演技を見せたはずなのに正当に評価されなかったことへの不満、これが最後だというプレッシャー、普通の人間なら力が入りすぎてしまうところ、平野選手は反対にとてもリラックスしているように見えました。
そして2回目と同じ構成の演技をそれ以上の精度をもって滑りきりました。
96点
採点者の「参った!」という声が聞こえてきたようでした。
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不満や怒り、焦りがあっても、それにとらわれない心の力のようなものを、そっけないとも言える表情を見ながら感じました。
そして、ほとんど笑顔を見せない平野選手を見ながら思い出したのは、開会式のバッハ会長のスピーチの後ろで旗をもって立っていた男性スタッフたちの笑顔です。
10分間続いたバッハ会長のスピーチの間、彼らは笑顔らしきものをつくったまま(時々笑顔を作り直しながら)寒空のもと立っていました。
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金メダルを取ってもあまり笑わない平野選手と、別に面白くもないバッハ会長のスピーチで笑顔を作り続けるスタッフたち、オリンピックの対照的な姿です。